カッポン・マグロ ~ご馳走サラダ~


リグーリア料理で何が好き?と問われたら、「カッポン・マグロ」と答える。

元来カッポン・マグロは、漁業、海運業が盛んであったリグーリアの船乗り達が航海に常備していた、乾パン、野菜、魚介類を酢漬けにし、混ぜ合わせた料理であったものが、バロック時代の料理人達により洗練され、当時はイエス・キリストの享年(33歳)に因み、豊富な食材を使い、33層にも重ね上げたクリスマスの貴族料理の1つだったのです。

今となっては、この料理をメニューに入れる店も減り、外出先でカッポン・マグロを見付けると、すかさず注文してしまいます。
(写真はRISTORANTE DA CASETTA のもの)

なぜなら、お店により、味付けや使用する材料も異なり、盛り付けも様々でどんなスタイルででるのかも見物だからです。

さて、イタリア語でカッポーネ(CAPPONE)とは、カサゴ科の魚の名前もしくは、去勢された食用雄鶏を意味し、カッポン・マグロの名前の由来の定説が2つあり、1つはこのカサゴ科の魚を使用しなければならなかった事、もう1つはクリスマスに食する雄鶏が豪華で富裕なモノだった事の代用とし、野菜と魚という質素な食材を使い豪華に見せたという庶民派料理から名付けられたのだとか。

カッポン・マグロにMOSCIAME DI TONNO(マグロ干物:写真右端)は必須で、その昔はイルカの肉をも干物にしていて食していた、リグーリアの珍味です。

ピエモンテで誕生したサルサ・ヴェルデ(イタパセを使ったグリーンソース)も、リグーリアに早くから取り入れられ、このカッポン・マグロには欠かせないソースとなり、このソースの味付けと、重ね方が決め手となる逸品だと思います。

魚介類と茹でた野菜がふんだんに盛り込まれた一皿で満足できるご馳走サラダなのです。

取材終了


「取材で本当に多くの人たちと関わりを持てたことは、僕の一生の財産となった。
 ”物”の裏には必ずそれに関わる“人”がいる。其々の人々の哲学の結晶が、イタリアの
 素晴らしい”物たち”を形づくっているのだと思う」

私の友人でもあり、ヴェネツィア在住のライター、小川光生さんが2003年出版された
「ヴェネツィア ラグーナの風」の中でのあとがきにこう綴っていた言葉が今回のこの取材コーディネートをし同感しました。

過去の軌跡を辿ったり、500年以上も昔から険しい山岳地帯で今も変わらず生活している人々、伝統工芸職人さん、リグーリア料理を披露してくれた私の友人のマンマ、医食同源を語ってくれたシェフや、農家の方々、リグーリアの新たな発見とともに、更にイタリアの魅力に取り憑かれてしまった事を改めて感じ・・・・。

仕事は楽しくやろうと一生懸命一つのものを作り上げる楽しさを教えてくださったプロデューサーの方々、有意義な経験をさせていただき有り難うございました。

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