
イタリア北西部のリグーリア州、トスカーナ州と隣接するラ・スペツィア県。
リグーリア海岸沿いの断崖絶壁にある5つの村、イタリア語で「5つの土地」と言う意味のチンクエテッレは11世紀に要塞都市として生まれ、海岸線沿いに密集したカラフルな家がこの村々の特色でもあります。
ポルトヴェーネレや小島群などと共にユネスコの世界遺産にも登録され、いまや観光名所にもなっているのでご存知の方も多いことでしょう。

海岸線沿いに沿う小道を散策というのがが此処の楽しみ方になっていますが、時間がある方は、坂道を登り上から村を見下ろすのもなかなかのものです。
約1,000年近くもの間、隣の村との陸路もなく船で往来し孤立していたこの村々。
平地がなく痩せている土壌で、人々は生きるすべを模索し続け、生活してきました。
「急斜面の固い岩盤を砕いてできた石垣の上に畑を作った。畑の土壌となるのは岩盤を砕いた際に出てきた砂。数百年かけて築かれてきた石垣の総延長は、なんと 6,700 キロメートルに及び、日本列島を往復できる距離である。努力のかいあってこの痩せた土地にも何とか根付いた作物がブドウであった。人々はこのブドウから作るワインで生活してきた。村の人々の生きる糧となったブドウ畑。ブドウ畑を守る為には土台となる石垣の修復は欠かせない。古い石垣は雨と風の影響で崩れやすくなっているからである。ここで育つブドウは、あまりたくさんの実をつけない。しかし、そのぶん味が凝縮したコクのあるワインが産まれた。(Wikipedia 参照)」

チンクエテッレの段々畑ではBOSCO種、VERMENTINO種、ALBAROLA種が栽培されており、
白ワイン「チンクエテッレ」や、中世の文豪や貴族達を虜にした甘口デザートワイン「シャケトラ」が造り出され、商売上手のジェノヴェーゼ(ジェノヴァ人)により、広く普及されていきました。
東リビエラのキャヴァリという街にあるチンクエテッレ等を醸造しているBISSON社、ピエール・ルガーノ氏は独自のワイン哲学を持つ人物の一人。
潮風をたっぷり浴びた白葡萄の凝縮されたミネラル感や、爽快なハーブの香り高いチンクエテッレを造られています。
チンクエテッレの傾斜からの景観、人々の培ってきた生活の糧を垣間見れて面白いですよ。

(愛の小道より)

