冬期休暇を利用し、友人たちがスキーを楽しんでいるVALLE D’AOSTAへ遊びに行ってきました。
「アオスタの渓谷」と名付けられたこの州は、イタリアの最西北に位置しスイスとフランスに国境を接しており、REGIONE AUTONOMO(州議会が様々な特権を持つ特別自治州)であるため、
独特な雰囲気を持つ魅惑な州でもあります。 トリノからも2時間程で州都のアオスタの街まで辿り着けるし、西北から東南へと流れている ドーラ・バルテーア川に沿いまっすぐに延びた高速道路、国道は非常に走りやすく、両脇には 城壁や要塞、絶壁に張り付いているかのように栽培されている葡萄畑、渓谷の合間から顔を覗 かせる雪山の情景は飽きさせる事なく、あっという間にアオスタまで辿り着きました。
アオスタ料理、ワインもなかなか興味深いのですが、今回はこの山岳地帯で生まれた、体も心も温まるアオスタ風コーヒーについて紹介したいと思います。

アオスタ風コーヒーを作るのに欠かせない道具、この「グロッラ」と呼ばれる木製の容器。
NOCE(胡桃)の木で作ったものを宗教儀式で聖杯になぞらえワインを飲みまわした事から始まったそうですが、現在ではブナの木などで作られたものが主流なのだそう。
まず殻の容器に・・・柑橘の皮(オレンジとレモン)、丁子を入れ、カップチーノを泡立てる容器の中に・・・
エスプレッソコーヒー4杯、その半分の量(つまりエスプレッソカップ2杯分)の地元産のグラッパ(葡萄の蒸留酒)を2種類、ジュネピー(高山地域のハーブで作るリキュール)ブランデー(此処ではイタリアのブランデー「VECCHIA ROMAGNA」を使用)を加え、ティースプーン4杯程のグラニュー糖を入れ、エスプレッソマシーンの蒸気で砂糖が溶けるまでよく泡立てる。
よく混ぜ合わされたコーヒーリキュールを容器の中に移し変え、火をつけアルコールを飛ばす!
ゆらゆらと燃える火をみんなで囲んで見るのも楽しみのひとつではないでしょうか。
容器口に砂糖をたっぷりまぶすので、火をつけることにより砂糖がカラメル状になり、蓋をきっちり閉められるので、持ち上げて飲む時、ズレ落ちることもない!

このグロッラで飲むコーヒーLA GROLLA DELL’AMICIZIA (友情の杯)と名付けられていて、いくつもの飲み口が付いており、両脇の穴を親指で塞ぎこのようにして飲み、隣の人は隣の飲み口から飲み、回し飲んでいくものなんですが・・・・
容器を口に近づけると、アルコールの蒸気が一気に鼻に入ってきて、とてもじゃないけどグイグイ飲めたものじゃない!
ということで、邪道ながら添えられていたストローでチビチビ啜るように頂きましたよ。
中味が空になるまで器を置いてはいけないので、回し飲みし続けるのが正規のグロッラの飲み方のようですが・・・厳寒な山岳地方で生まれた体も心も温まる飲み物、今回初めての体験。

友人夫妻が借りていたPILAのレジデンス、標高1000m程のところにあり、窓からはアオスタの夜景が広がり素敵で温かみのある可愛らしいレジデンスです。
今回のグロッラは此処で作っていただきました。


レジデンスの詳細
「Les Fleurs」
LOC. LES FLEURS N.26 11020 GRESSAN AOSTA
TEL:0165-592003
www.residencelesfleurs.it

あまりの可愛さにアオスタに下り、工芸品屋さんで3人用のグロッラを購入してしまいました。
今年は暖冬なのですが・・・・いつか友人たちにグロッラをお披露目できたらなと思いに耽ている今日この頃・・・・。
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