カッポン・マグロ ~ご馳走サラダ~


リグーリア料理で何が好き?と問われたら、「カッポン・マグロ」と答える。

元来カッポン・マグロは、漁業、海運業が盛んであったリグーリアの船乗り達が航海に常備していた、乾パン、野菜、魚介類を酢漬けにし、混ぜ合わせた料理であったものが、バロック時代の料理人達により洗練され、当時はイエス・キリストの享年(33歳)に因み、豊富な食材を使い、33層にも重ね上げたクリスマスの貴族料理の1つだったのです。

今となっては、この料理をメニューに入れる店も減り、外出先でカッポン・マグロを見付けると、すかさず注文してしまいます。
(写真はRISTORANTE DA CASETTA のもの)

なぜなら、お店により、味付けや使用する材料も異なり、盛り付けも様々でどんなスタイルででるのかも見物だからです。

さて、イタリア語でカッポーネ(CAPPONE)とは、カサゴ科の魚の名前もしくは、去勢された食用雄鶏を意味し、カッポン・マグロの名前の由来の定説が2つあり、1つはこのカサゴ科の魚を使用しなければならなかった事、もう1つはクリスマスに食する雄鶏が豪華で富裕なモノだった事の代用とし、野菜と魚という質素な食材を使い豪華に見せたという庶民派料理から名付けられたのだとか。

カッポン・マグロにMOSCIAME DI TONNO(マグロ干物:写真右端)は必須で、その昔はイルカの肉をも干物にしていて食していた、リグーリアの珍味です。

ピエモンテで誕生したサルサ・ヴェルデ(イタパセを使ったグリーンソース)も、リグーリアに早くから取り入れられ、このカッポン・マグロには欠かせないソースとなり、このソースの味付けと、重ね方が決め手となる逸品だと思います。

魚介類と茹でた野菜がふんだんに盛り込まれた一皿で満足できるご馳走サラダなのです。

近況報告@北イタリア

CIAO!
こんにちは、皆さん御無沙汰してしまい申し訳ありません。
寒波と呼ばれているヨーロッパ、北イタリアに生存しておりますニコニコ


雪国での生活なんて未知だし、今まで雪の結晶雪の結晶と密接に関わってないワタクシ。

日本を発つ前、寒がりな私を気遣って(!?)か雪国生活を周囲から散々脅かされ、1月初旬恐る恐るこの地に足を踏み入れましたが・・・

湿気を含まないサラサラでパウダーみたいな粉雪。
雪の上を歩くと、サクサクしていてまるで砂糖の上を歩いているような感触。

外気に触れるとすぐ肌も慣れてしまうのか、寒気を感じることもなく、
清々しい新鮮な空気、陽光が反射しキラキラ光る雪の結晶をしばし見て、感激しておりました。


そんな幻想な世界に浸ってられるのも束の間で、直ぐに現実に引き戻され、滞在許可書の申請や、インターネット開設等の手強い作業、2月初旬の来客のための準備や、リグーリア特集の雑誌のコーディネート等走る人しております。

その合間に、記念日薔薇というのを口実にリクエストさせて貰い、ナイフ&フォークボーリットミストナイフ&フォークを食べに連れていってもらいました。

ボーリットミストの本場、ピエモンテ州クネオ県のカル―に在るトラットリア。
私達の在住地より、30km程北上したところにある町で、ワインの銘譲地と称されているランゲ地方の始点にあたり、昔からBUE(ブエ)と呼ばれる、去勢牛の飼育が盛んで、その適度な肉質と脂肪が煮込みには最適だったため、郷土料理とし、厳冬を超すための冬の定番料理になったのだとか。

久々のピエモンテワインオンパレードのワインリスト。

肉の脂肪分をさっぱりさせてくれるのに、酸度の高いBARBERA D’ASTI(バルベーラ ダスティ)や、カル―近郊のDOLCETTO DI DOGLIANI(ドルチェット・ディ・ドリアー二)が良く合わせて飲まれるとのソムリエさんの助言も聞きながら、色々悩んだ挙句、

BARBERA D’ALBA 2006 SANDRONE LUCIANO
(バルベーラ・ダアルバ 2006 サンドローネ ルチャーノ)

バローロの中でも屈指の畑、「カヌッビ」で造られたもの。
トノ―樽(500リットル)を使用し熟成され、バリック熟成されたような強い樽香、バニラ香もなく、ドライフルーツの凝縮されたフルーツの香りと、濃厚な味わいは素晴らしい出来のワインでしたが、肉料理に合わせるには、ワインの味に厚みが有り過ぎて、インパクトが強いなと感じ、これはアマローネのように、瞑想ワインの部類に入る逸品だなと思いました。

グラスの形が変わると、こんなに芳香も変化するからワインと二つのグラスを用意してくださり。


それから、メインのボーリットミストです。
ワゴンサービスで、アツアツの肉塊や、ほほ肉、牛舌、テール、コテキーノ(ソーセージ)、
トリッパ(胃袋)の煮込み、それにピエモンテのボーリットミストの中には、必ず入れないといけない、めんどりの煮込みを、愛想の良いシニョ―ラが手際良く切って、サービスしてくれました。


付け合わせのソースとし、この6種類のソースに加え、岩塩、7種類が卓上に用意されます。
右矢印バニェット・ベルデと呼ばれる、パセリ、香草、アンチョビ、ケッパー、酢を利かせたグリーンソース。
(時計回りに)
・ぺペロンチーノ入りトマトソース
・ヴィナッチャ(葡萄の搾りかす)で作ったジャム
・蜂蜜の中に、胡桃とアーモンドをすり潰し加えたもの
・二十日大根
・西洋がらし


メインを頂く前に、この茹で肉の出し汁のラビオリ入りブロードを頂きました。


ドルチェもワゴンサービスで、沢山用意されていましたが、食べ過ぎてしまい、全部試食したかったデザートは別腹とはならず・・・ショック!

濃厚なパンナコッタと洋ナシの赤ワイン煮を。
さすが酪農地方ピエモンテ、乳製品美味しすぎですラブラブ
ピエモンテのドルチェには、やっぱりピエモンテ州、カスティリヨーネ・ティネッラ村で造られる、甘口発泡ワイン、モスカートですよねアップ



新年の挨拶も儘ならぬままで失礼しましたしょぼん
今年はイタリアから様々な情報をお届け出来るよう頑張りますので、今年もどうか宜しくお願いします。

厳寒のおり、どうかご自愛くださいWハート

天然旨味調味料


イタリアカンパニア州サレルノ地方アマルフィの漁師町チェターラの特産に、アンチョビの魚醤があります。
先日BICEでのサレルノ料理の会食でも、使われていました。

「チェターラ産コラトゥーラ」とし、スローフード協会からお墨付き商品とし認定されています。
COLATURA(コラトゥーラ)とはイタリア語で濾過という意。

サレルノ湾で8月頃捕れたカタクチイワシ(アンチョビ)の頭と骨と内臓を取り除いたものを木樽の中で塩漬けにし、4か月熟成させ、染み出してきた液体を濾過したもの。

起源は古代・ギリシャ時代にまで遡るといわれ、宗教徒たちがクリスマスイブの晩餐のための質素な料理とし、使われていたそうです。

現地では、パスタの隠し味に少し加えたり、魚や野菜のグリルにかけたりして使われています。

ニョクマムや、ナンプラーのように、味もきつくないので、

私は魚料理には、繊細で上品なリグーリア州、インぺリア、サヴォーナ地方のタジャスカ種を使ったオリーブオイルを好んで使いますが、このオイルでドレッシングを作るとき、隠し味としこの魚醤を少し加えると美味しいのです。(冷やした完熟トマトにも!)

話をサレルノ地方に戻しますが・・・・
皆さん御存じですかはてなマーク地中海ダイエット発祥の地はてなマーク
それはここサレルノなんです。ヨーロッパで最初の医学校が設立され、食による健康医療法を考案したのです。
体に良い食材を日常的に食べ、バランスの良い食事を心掛ければ、健康維持できるとその有効性が立証されていたのでしょうね。

クオリティー


23日は勤労感謝の日ガックリとゆうことで、在日イタリア商工会議所とCOLDIRETTI主催のもと、カンパニア州サレルノ地方の食材の試食会に招待され、カレッタ汐留にあるレストラン「BICE」
に行ってきました。

COLDIRETTI(コルディレッティ)とは、イタリア国内及び欧州地域レベルで、農業を経済資源、人的資源、そして環境という面で見直し評価を行う、企業約150万社が加盟する団体です。

サーチインプレーザ(農業関連企業の競争力を成長させる活動)
サーチカンパーニャアミーカ(グローバル化という現代において、生産者と消費者間の交流を促進させる取組み)

上記を主な目的とし活動しています。

さてカンパニア州はティレニア海の温暖な気候と、日本でも最近話題のアマルフィ海岸など風光明媚な海岸線が在り、その中でも今回紹介されたサレルノ地方は、現在でも農業が経済の大半を占めており、穀物、野菜、ワイン、オリーブオイル、さらに牛や、水牛、羊の畜産も盛んで、素晴らしい乳製品も生産している、まさに食の宝庫なのです。

ワインの法的規制のように、厳密な審査を突破した品質認定表示されたものが多数存在します。

キラキラDOP(Denominazione di Origine Protetta保護指定原産地表示)は7つ。
キラキラIGP(Indicazione Geografica Protetta保護指定地域表示)は5つ。

この表示があるおかげで、高品質を求める消費者にとっても効果的な保証であり、生産者にとっても類似品などの不正な商取引等を防ぐ有効な証明になっているそうですビックリマーク

現に私の周りにいるイタリア人たちも、食品にはかなり敏感で、日本の食材を購入する際、
「香料が入っている」とかなり嘆いていますショック!ショック!


サレルノ地方は、3種類のエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルがDOP食品に認定されており、

土着品種も多く、多種多様なワインを生産するカンパーニャのワイン。

ワインチレント
ワインカステル・サン・ロレンツォ
ワインコスタ・ディ・アマルフィ

サレルノを支えるDOCワインとなっています。

ピエモンテ豚足コロッケ~バツォア~

 11月11日に開催された、レストラン「7ベッロ」さんとのイベント、今回はピエモンテ料理と、ピエモンテワインについて語ると題し、ただ説明を聞くだけではなく、其々の疑問に感じる事等を解きながら、3時間ほど掛けてゆっくりと食事をしながらのピエモンテ料理とワインの勉強会。大盛況に終わりました。

仕事をしに行ったのだけれど・・・・ナイフ&フォーク賄いナイフ&フォークも楽しみにしていたのですWハート
前々からリクエストをしていたお料理。それが、このBATSOA(バッォア)。
ピエモンテ地方で食される、アスティー近郊の郷土料理、豚足を柔らかく似て作ったフリット。 

コラーゲンたっぷりの豚足キラキラさっぱりとした玉葱のソテーが絶妙に合います。 

さすがピエモンテ料理を知り尽くしてるシェフが作るだけあり、 ホントに美味でした。
営業前なのに、私のリクエストに応えてくれてありがとう・・・はっぴ・ 


これも、賄いで出してくれた逸品。
PANISSA(パニッサ)。イタリアきってのお米の産地、ピエモンテ州のヴェルチェッリ地方では、サラミとうずら豆の入ったリゾットのことを、こう呼びます。


どちらのお料理も、フルーティーで酸味の軽やかな BARBERA D’ASTIで口の中もさっぱりしました。

お店の入り口には、ピエモンテ特集に因み、現地から持ち帰った本がづらり。 


ピエモンテ風前菜の盛り合わせ(ロシア風サラダ、ボーリットミストのテリーヌ、豚フィレ肉のツナソースがけ、牛肉のタルタル)には、フローラルとミネラルの豊かな香り、ほのかな苦みを感じるのが特徴の、「エルバルーチェ」をあわせました。

メモこのエルバルーチェとゆう品種、、ピエモンテ州の土着品種で、1600年代初頭にはその繊細な香り,薄い苦みのある辛口ワインとし、すでに名を馳せていたのだそう。
今日では、半乾燥させた葡萄で造られる甘口ワイン DOC CALUSO も人気があります。


(左より)
ナイフ&フォークBAGNA CAUDA~季節の野菜とバーニャカウダ~ 
ワインBARBERA D’ASTI  CASTEL DEL POGGIO

ナイフ&フォークPANISSA VERCELLESE~サラミと野菜うずら豆のリゾット ヴェルチェッリ風~
ワインROERO ROSSO ”VAL MAGGIORE” CASCINA CHICCO

ナイフ&フォークGUANCIA DI VITELLO AL NEBBIOLO~牛ほほ肉のネッビオーロ煮~
ワインGATTINATA TRAVAGLINI 

毎回毎回いろんな要望に応えて下さる、7ベッロのオーナーちえみさん。
一人で15年もこのお店を守ってきた、努力と根性に脱帽します。

 セッテベッロの詳細

世界一高級な白トリュフ


ピエモンテ州アルバの白トリュフは世界一高級なトリュフとし、この時季世界中の美食家たちが、このトリュフを求めアルバの町にやってきます。
去年のこの時季、私はこの素晴らしい魅惑の香りに包まれて仕事をしていました。

何とも歪な形をしていますが、味よりもその香りに人々は魅了されるのです。

毎日のように採れたてのトリュフを大事に抱えてキッチンへ持ってくるTARTUFAIO(タルトゥファイオ)=トリュフ採集者たちも、アルバ近郊には欠かせない人たちです。

欠けていたり、小さなトリュフ逹は、このように生卵の傍にコロンと置き密封し冷蔵庫に入れます。そうする事により、強烈な芳香を放つトリュフの匂いが卵に染み込むのだそう。


町には沢山のトリュフが売られており、これらを求め遠方からやってきた人たちは吟味しています。
しかし、最近はトリュフの希少価値を利用し、アルバ産トリュフと偽り中国産を売る業者もいるとか・・・・。何処の国にもこうゆう人逹っているのですね・・・・ショック!ショック!ショック!

是非この時季にピエモンテを訪れる人がいたら、アルバの町を訪れてみてください。

ORGANIC STYLE

昨日から幕張メッセで開催されている、アジア地域最大の食品・飲料見本市FOODEX JAPANに行ってきました。
その中にある国際会議場で、イタリア貿易振興会主催による音譜オーガニック製品音譜についての講演会の招待状を頂いていたので、その講演も聞きにメモ   
                                          
イタリア(海子作イタリア貿易振興会事務所長イタリア(海子作  Federico Balmas(フェデリーコ バルマス)氏を中心に、イタリアから、ガランツィアビオ協会、有機生産物管理協会の方々、日本側からは、オーガニック&ナチュラルフーズ協会が参加。

ベルイタリアはオーガニック製品の重要な生産国でもあり、そのクオリティーの高さはヨーロッパでも断トツトップアップで、イタリア国内にとどまらず、世界的に広い消費者を持つ製品の一つですベル

確かにイタリアの街を歩いていると、オーガニック食品を取り扱っている店や、薬局をよく見かけます目
私の旦那さまも含め、私の周りのイタリア人、全体的に見ても日本人より自分の口に入れる食品の成分について、実に敏感なような気がしますナイフ&フォーク
私も料理の仕事に関わってきて、食品を選ぶとゆうことはすごく大切な事だと実感しているし、イタリアのメルカートやスーパーで、目で見て触って確かめて自分の欲しい物だけ購入するとゆうスタイルに慣れてしまっているので、日本に帰ってきて、野菜も肉も魚もパック詰めされているのは消費者側として、何か物足りなさを感じてしまうシラーむっ

それはさておき目、ヨーロッパ、特にイタリアでのオーガニック製品の需要はまだ増加傾向グッド(上向き矢印)にあり、今年の1月にEUで規制法も変わったばかりで、それに加え、水栽培や有機ワインとしての醸造学といった分野も導入されたみたいです合格
イタリア各地で、協同組合や協会によるオーガニック製品の見本市や、オーガニックの蜂蜜、オリーブオイルの国際コンテストも開催されたり、学校給食でのオーガニック製品利用の義務付けなどが定められたそうです。

ワイン有機ワインについてワイン、私はまだ半信半疑眼 目で、醸造者によって方法もさまざまだと思いますが、ワインを造る一般的な行為として、醸造段階で酸化防止剤(亜硫酸塩)を添加することは、伝統的な手法でもあるし、ワインは酸化に弱いので酸化防止剤を加えることにより、腐敗を防ぎ、長期保存ができると思うんです・・・。
白ワインは熟成させるより、瓶詰めされてあまり月日がたってないフレッシュでフルーティなものを好むけど、赤ワインを飲む場合、美味しい熟成されたワインに出会えることは、とてもうれしいWハートニコニコWハート

ワインは長い時間熟成され品質が向上していくとゆうデリケートさが、私がワインに惹かれる魅力でもあるので・・・サチハートハートハートハート
イタリアの有機ワインを一概に批判するつもりもなく、いろんな試飲会で有機ワインを味見させてもらい、できの良いものもあれば、いまいち味が抜けているのもあったり・・・・ガーンあせる
各醸造家、試行錯誤し、自然に逆らわず造っているとゆう意気込みはすごく伝わってくるからそういった彼らからの話を聞くのが私はすごく好きですビックリマーク

日本においてイタリア産の農産物、食品(オーガニック製も含め)
トマト缶83.3%、パスタ69.1%、生ハム67.6%、オリーブオイル56%と、大変多く、ワインワインの輸入量は、フランスについで2位。チーズチーズは、オーストラリア、ニュージーランド、フランスに次いで、4位とゆう順になっているそうです。

イタリアの製品のみ、現地でJAS規格の認証マークを貼り付けて出荷することができるので、日本の消費者の手元まで届く時間のロス短縮といったことなどが、さらに品質の安全性を与えているのだとも話してくださいました。

残念なことは日本で作られているオーガニック製品はEU圏や欧米での規定を突破しておらず、認証されていないとゆうこと・・・・しょぼん汗
イタリアで栽培されている有機食品の農地面積は、120万ヘクタールに比べ、日本は正確な統計をとっていなくて、1万ヘクタール以下であろうとゆうこと目
消費者10%のイタリアに対し、日本人は、0,5%以上1%未満らしく、この差は歴然としていますよねぇたらーっ(汗)

自然を尊重し、環境を守るということ、そうゆう場所で住めるとゆうことは自分の体も心もメンテナンスできると思います。
今は、又そうゆう場所で生活できるとゆうこと・・・瞑想にふけている今日このごろですラブラブ!

今回初めて行ったFOODEX。1日では全部見切れないけど、国内国外の珍しいもの、日本全国の地酒など・・・興味をそそられるものが沢山でした

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