渓谷、帰宅


お久しぶりの更新です!夏季労働終了し、ピエモンテ州南部にある自宅へ戻り何とか落ち着いたところです。

夏季限定オープンしている海の家のレストランは、無休営業・・・・ひたすら働いていたので、プライベートな時間が全くもてませんでしたが、きらきらと眩く輝くコート・ダ・ジュールに続く海岸、夏の日差しに対抗するかのように咲き誇る目の覚めるような鮮やかなブーケンビリア、そんな海岸線沿いのアウレリア街道を車を走らせながらの通勤、久々のリビエラ、時間の余裕はなかったものの、十分満喫してきましたよ。

残念なことに今夏イタリア、特に北イタリアは冷夏で例を見ないほどの異常気象、悪天候に見舞われたので、例年のように毎日毎日澄み切った快晴とはいきませんでしたが・・・・。

食材を扱いながら嬉しく誇らしく思ったのは、市場でも近郊のスターシェフ達も挙ってクネオ県産の野菜や果物、チーズを販売しに来る農家の人たちをまぁ心待ちにしてたこと、してたこと!
リグーリア州も十分野菜美味しいのだけれど、土地が狭いので農作物の量も種類も限られてしまうのは仕方ない・・・・。

クネオ県ページオ渓谷へ帰宅し、さっそく農家さんの野菜を求め市場に、馴染みの肉屋へ顔出しに・・・・地元産「キロメートル・ゼロ」、改めてその美味しさに感激!少しの期間でしたが離れてみて地元の良質な食材を再認識、青々と茂る木々、美味しい空気、久々の森林浴。



散歩がてら我が家上流の湧き水もさっそく汲みに!家の水道水も十分美味しいのですが、湧き水はやはり清水、汲みながら心身浄化されているのがひしひしと感じられ、気分爽快!
料理の原点は美味しい水から・・・・ですものね。
此処はピエモンテ州きっての自然公園内、週末はトレッキングやピクニックをする家族連れで賑わう為、湧水汲みは混み合い、冬雪深くなると湧水手前の道から通行止めになってしまう為あともう少しの期間楽しめる湧き水。


私の好物のひとつ、地元の馴染みの肉屋さんの自家製豚肉加工品、スペック。
スペックといえば古くからチロル地方で造られてきた豚肉加工品、ドイツ語で豚の脂身、ベーコンを意味し、イタリアではアルト・アディジェ地方のものが有名ですが、ここの肉屋の自家製スペックは、塩味もマイルド、乾燥、熟成期間を短くしてあるため、柔らかくジューシー。
とはいっても加工品、健康上頻繁には食卓には出せませんが、やっぱり好物は好物な地元産のひとつ。

それから写真奥の、コロンとしたフレッシュチーズは、カプリーノ。
イタリア語が分かる方は、カプリーノ?カープラ=山羊乳チーズと連想されるでしょう。
濃厚で程よい酸味のある山羊乳から作られるフレッシュチーズの味わいと似ていることから名付けられたカプリーノですが、100%乳牛で作られたもの。
食後のチーズとしデリケートさが気に入ってる、これまた地元産の好物のひとつ。


昨日はカウベルの音が、山中に響き渡っていました。夏季高山地で過ごしていた牛達が一斉に下山してきたので、物凄いガラン、ゴロンという音色。
勿論道路は牛優先だから我が家横の道も珍しく渋滞、この光景を目にすると、夏が完全に終わったんだな~と実感してきます。
そう、これからは食欲の、収穫の秋、各地でさまざまな食やワインのイベントが開催される季節ですね!

では、チャオ!

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森林浴日和


ご無沙汰しています。元気で過ごしていますが、4月は目まぐるしく行事をこなしており、やっと一段落し気づけば自宅の周りはすっかり新緑の季節を迎え、晴天の今日、久々の散策。

4月初旬はヴェローナでのワイン見本市「ヴィニタリー」へ、その後はランゲ地方のワイナリー巡り、毎週行われているワイン講義、それからHACCP(ハサップ=日本語表記は危害要因必須管理点)の、講習受講、更新テスト、5月から働く店とのメニュー構成等ミーティング・・・・。

普段ブログ上では愚痴ったりしない私ですが、さすがに今月はイタリア語フル回転で、へとへとでした。外国語で生活する、受講するのは時間と労力を消耗するのを改めて実感した月でもありました。

イタリアの飲食店での勤務を含め、食品を取り扱う職種に就いている人は、必ずこのHACCPの資格取得しなければいけません。私がイタリアで働きだした頃は経営者が所持していれば良かった資格ですが、ここ数年従業員も義務的になり、5年毎の更新(自治体により異なる)が必要となりました。

気づけばあっという間に4月下旬、我が家を取り囲む森林は新緑が素晴らしく、特にアロマの多い白や赤ワインに多く含まれる「草や野草」の香りの宝庫。

BOSCO(森林)、FELCE(シダ)、FIENO(干草)、FOGLIE SECCHE(乾いた枯葉)、MUSCHIO(麝香)、それからPINO(松)、VIOLA(スミレ)などなど、いろんな香りが漂い、嗅覚が鍛えられます。

とにかく日頃から自然のある場所へ行き、花や草などの香りを利き、嗅覚を鍛え多彩な表現力をつけておくように・・・・とイタリアのワイン専門家達から悉く言われ続けるので、どうしても立ち止まり香りを嗅いで分析する事が身についてしまいましたが、ソムリエという仕事に従事している人には本当にお勧めの訓練法ですよ。

久々に思いっきり運動も出来、リフレッシュ完了!!!!




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本日快晴


今日は久々に太陽を拝めました。
先週の水曜日からの悪天候。毎日天気予報を見てはうんざりしていました。
9日間陽光が部屋に差し込まないなんて、今朝窓を開けた瞬間飛び跳ねてしまい、コーヒーを慌てて飲み干し、深呼吸しに家の外へ。
空気が澄み切ってて気持ちいい!
ふわふわの雪の上を歩くとサクサク砂糖の中に埋もれるかのよう、光が差し込んでいるところはキラキラと真っ白に輝き、粉砕されたダイアモンドが散りばめられたかのように眩しく幻想的。
自然にいかされる自分である事に気づく瞬間。
ここは保護していくべき地域に認定されている自然公園内、豊かな食材に恵まれ、美味しいお水は何時でも飲めるのですもの。




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避暑地を求めて


今年はまったく気温が定まらない北西イタリア・・・・・。

こう気温差が激しいと衣装整理もなかなか落ち着きません・・・・が今日は清々しい夏日!

とともに我が家裏にもたくさんのお客さんがやって来ましたよ。


羊や山羊たちが避暑地へと移牧してきたのです。

ALPEGGIO(アルペッジョ)、標高600m~2500mのアルプス山間部で夏の間放牧する事又はその放牧する場所をこう呼びます。

牛は高地な1800m~2200m辺りで夏の間放牧され、そこで搾乳され造られたチーズのみが、ALPEGGIOと表記され、美味しい空気と野草を食べのびのび放牧された大自然が凝縮された美味しいチーズが出来上がるのです。

寒い冬が終わり、モコモコだった毛はすっきり刈られた羊たち、産まれたての子山羊は首をめいいっぱい伸ばし葉っぱを毟っています。

山羊は人懐っこくて近寄ってくるんだけど、臆病者の羊は相変わらずそっぽを向いて若葉をひたすら選り好み。

囲まれているネットには微量の電流が流れているので、アルプス山岳地方でこのような光景に出くわしても、ネットには触れないようご注意を!

首に付けられたカウベルがカランコロンと鳴り響き、それらに合わせるように野鳥の囀り、さわさわと揺れる葉擦れ音、清涼感ある新緑の香り、今季ならではのアルプス自然公園の情景。

この子たちが此処にやって来たって事は牛たちがもうそろそろアルプス山岳部へ向けて出発するって事!

今年も美味しいチーズ食べれますように!

初雪だより


LA NEVE BUSSA ALLE PORTE!

天気予報通り、今朝から大粒の牡丹雪が舞い、一気に白銀の世界へと様変わり。

今年は一段と冷え込むそうです。

薪も追加で頼んで正解。

この近辺冬季オリンピック開催地でもあったので、せっかくなので今年はスキー楽しまなくちゃ!


昨日は秋晴れの紅葉日和で、家の周りの散策、色とりどりの景色を堪能できたのになぁ・・・。

早速冬支度に取り掛かり始めたピエモンテより。

皆さんも季節の変わり目どうかご自愛くださいね。

秋、ページオ渓谷便り


秋色に染まり始めた私が住むページオ渓谷。

黄、橙への紅葉のグラデーションがなんとも鮮やかでぬくもりを感じられる大好きな季節到来。


そして忘れてはいけないのが、秋の醍醐味!フンギ・ポルチーニ!

このきのこ、主には栗の木の周りに生えるもので、栗の木がすぐ裏手にある我が家周辺はまさにポルチーニの宝庫。

近所の食材店には、採りたてほやほやのきのこが、レジの横へど~んと並べられています。

私が住むページオ渓谷のポルチーニは、クオリティーの高い良質なきのことし、星つきのシェフもわざわざ買い求めに来るほど。

今年は、なんともきのこに適した気候であったため、にょきにょきと・・・・わんさか生えて例を見ないほどの量なため、「クネオ渓谷郡のきのこ」の記事が新聞にでかでかと取り上げられたほど!

きのこが採れるこの界隈での諺で、「きのこがよく採れる年はその冬雪が沢山降る」と言い伝えられています。

この諺を教えてくれたおばあちゃん、「今年は寒いで~」とのこと。

今年はスキーを楽しみたいと思っている私にとって、積雪予報、大いに期待大です!


家の前にもほらっ!

美味しそうなんだけどぉ・・・・・。

半信半疑の食材は絶対口にしない主人。

勿論我が家の食卓にあがることはありません。

通常茸狩りをするのは、川で釣りをするのと同じように自治体に申請し、許可書を受け取らないといけないので、公にはきのこ狩りは出来ないのだけれど・・・・・。

我が家の裏手のプライベート敷地内の森の中を散策して見つけた~くらいならいいでしょってことで、きのこ狩りへいざ出陣!

きのこ狩り名人がたくさんいるこの界隈 (この時季、きのこ狩りをし食材店などへ卸して生活の足しにしているおじさま方が、登山リュックからはみ出しそうなきのこをいっぱい詰めて、下山してくるのも見かけたりします。)

そんな名人たちに根こそぎ採られているので、ど素人の私が簡単に見付けることは出来ず・・・・。

でも見たこともない、珍しいきのこを何十種類も見れて、気づけばそっちを見付けて写真を撮るのに夢中になっていましたよ。

絵本に出てくるような、真っ赤や黄色や紫のやら・・・可愛らしいものもたくさん生えてて・・・。


これはどうやら、火をよ~く通して食べることが可能(生では駄目)が

MAZZA DA TAMBURO(大唐傘茸)というらしいのですが・・・・。

フランスやイタリアでは、採ったきのこが食べられるのかどうか、そういう専門家がいる薬局へ持参していき相談してみるというのがありますが、ここまで種類豊富で、傘の部分がポルチーニにそっくりなのも散策していて見かけたので、知識を持ってきのこ狩りに行かないとほんと危険なような気がします。

現に2年前家の前のオジサンも、近所で見付けたポルチーニ(だと思って)を持って帰り、ソースを作って食したところ、その晩大変な事態に陥り、真夜中に救急車で運ばれちゃったんだよね。


って事で近所のレストランへポルチーニを食べに!

ここで40年程家族で営んでいる、ここの食材のことをよ~く知っているシニョーラが作ってくれる温かい家庭料理。

ザ・イタリアンマンマの味

定番手打ちパスタと、とれたてきのこがふんだんにが入った一品。

このきのこのしゃきしゃき感!

う~ん、まさにkm0!地産地消万歳です!

そしてこのきのこふんだんのプリモ・ピアット、なんと5ユーロ(約500円)、なんとも良心的な価格です


食欲をそそられる彩が町中のあちこちで見られるようになりました。

季節の旬の食材も上手に取り入れつつ・・・・皆さんも冬への健康管理気をつけてくださいね。


我が家にも、今冬用の暖炉の薪、FAGGIO(ぶなの木)が近所の材木店から運ばれてきましたよ。

300kg注文したそうです。

それをトラクターで家まで持ってきてくれるのですが、ガレージに薪を流しこまれ、そこからは自分たちで、倒れてこないように並べないといけません。

ちょっと大変な作業ですが、これも冬に入る前にやっておかないといけない事のひとつ!

だいぶ山暮らしが馴染んできた今日このごろです。

渓流釣り


渓流釣りも解禁になり、週末の夕方釣りに出かける時もあります。

イタリアでの渓流釣り許可書(LICENZA DI PESCA)は、約23ユーロ(1年間)を住民権のある州の自治体に申請します。

許可書を発行してもらうと、それと一緒に県内の渓流マップも渡され、そこには有料、無料、禁止地域が色分けされています。

家のすぐ傍の渓流(写真上)は、幅もあり釣りやすいのですが、上流で毎年マスの稚魚を放流するので、1日20ユーロ、さらに上流は60ユーロのチケットを購入しなければいけません。

ということで、いつもは川幅の狭い無料の清流で楽しんでます。


疑似餌に使うのは「スプーン」。

いつもはゲームフィッシングとして楽しむので直ぐに離しますが、この日はちょっと大きめのが釣れたのでお持ち帰りに!

天然もののマスは、表面にオレンジの斑点があるのが特徴だそうです。

香味野菜で軽く蒸して、ケッパー入り焦がしバターで。


ピエモンテの魚、ピエモンテのバター、地産地消でピエモンテ白ワイン、アルネイス種にしようかと思いましたが・・・・・。

リグーリア州の東リビエラのティグリオ湾近郊で栽培されている、ビアンケッタ・ジェノヴェーゼ種を使った白を!

ミネラルが凝縮された酸味の爽やかなスッキリタイプで今回はBISSON社のものを。

美術の教師でもあり、過去イタリアソムリエコンクール準優勝という経歴も持ってらっしゃるBISSONのオーナー・ピエールルイジ氏。

彼は農民達が造るリグーリアワインの潜在性を直観し、東リヴィエラに根付く葡萄の可能性を引き出す冒険をし始めました。

当初は農夫が造る葡萄を少量づつ購入し醸造を試み、考究の末、近代技術を取り入れ、リグーリアの土着品種を品質向上させ、BISSONの名を轟かせるようになりました。

ピエール氏は、地中海沖に沈んだ数々の沈没船の中から発見されたワインのその良質保存状態に着目し、2009年5月22日、”LO SPUMANTE DEGLI ABISSI”と名付け、瓶詰めしたスプマンテをケージの中に入れ、ポルトフィーノ沖の海底に沈めており、現調査段階の醸造法とし、専門家や世界のメディアが注目しています。(2010年末引き上げ予定)


アルプスの野花達が咲き誇っていて、心地よい今日この頃です。

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