ワインと人柄


ここ最近飲んだワインで印象深いもの、それがこの
LACRIMA DI MORRO D’ALBA(ラクリマ ディ モッロ ダルバ)。

その昔、カンパニア、ウンブリア、プーリア州でもテーブルワインとし栽 培されていた品種だけれど,現在ではマルケ州アンコーナ県北西の極限られた地域で栽培されている実に稀少価値の高い黒葡萄品種。

ギリシャから伝わり、プーリアやラッツィオで幅広く普及し、現在ではトスカーナ西部ルッカ、ピサ辺りを中心に作られているアレアティコ種の同属であるだろうとも言われています。

葡萄品種名のラクリマとは、イタリア語で涙、滴などという意味合いで、葡萄が熟した際に果皮が裂けて果汁が果実を滴る様子がまるで涙が頬を伝うかのように見える事から名付けられた、神秘的な名前の葡萄。

そんな神秘的な名前に加え、味わいが実に魅惑的!!果実や薔薇を一気に吸い込んでいるかのような凝縮されたアロマ、そんな複雑な芳香からどんなパンチの効いた味わいを醸し出すのかと思いきや、柔らかくてとてもエレガント、果実味と酸味のバランスが絶妙で飲んでいて心地良いの一言につきます。

このワインを口にした時、ヴェネト州のアマローネの事が過ぎったけれど、あのように貫禄があるワインでもなく、控えめなんだけど高貴な印象を与える・・・マルケ州のこのワイン産地から持参し てくれた友人の人柄そのものだった事がこのワインを印象深いものにさせ,尚且つ感情が高まってしまったのです。

マルケの代表的な白葡萄、ヴェルディッキオから造られるワインも控えめエレガント系(これも私の勝手な思い込みなのだけど)美しい集落や中世の面影が数多く点在するマルケ州、淑やかな人達に会いにいつかゆっくり滞在したいという思いにふけています。

このように多種多様な土着品種が有り、無限大のように個性が広がり、それぞれの地域に密着し、思い出深いものにする飲み物はイタリアワインが最強だと思います。
まさに媚薬!

因みにカンパニア州で有名なラクリマクリスティは、別物ですから困惑しないように。

ホットワイン


風邪をひいたり、インフルエンザが蔓延したりして体調を崩しやすい厄介な時季。
日本でもたまご酒や、甘酒を飲み身体を温めるという風習がありますが、イタリアに限らずワイン普及率の高い地域では、寒さ対策や風邪の引き始めなどにハーブ入りホットワインを飲む風習や、寒い時季のお祭りの露店では振舞われていたりします。

ピエモンテ界隈ではホットワインの事を、VIN BRULE(ヴィン ブルレ)と呼び、この時季とっても重宝する飲み物です。

作り方は様々ですが・・・伝統的ピエモンテVIN BRULEのレシピには

500g・・・・赤ワイン
50g・・・・・砂糖
各3gずつ・・・スティックシナモン、クローブ、ナツメグ、黒粒胡椒
半個・・・・・・レモンの皮
ひとつまみ・・・カルダモン
1本・・・・・・バニラ
1枚・・・・・・セージ
少量・・・・・・ローズマリー

鍋にワインとすべての材料を加え、弱火でゆっくり混ぜながらハーブを煮出し、ワインが沸騰する直前で火を止めます。

シナモンには、胃や腸を正常にし、解熱、鎮痛作用有り。
ナツメグには、下痢止め、消化不良の改善。
クローブには、抗菌作用有り。
黒胡椒には、眼精疲労、不眠改善。
セージには、喉の痛みや抗菌作用に。
ローズマリーには、ストレスや不快感の解消に。

様々な効果をもたらすハーブ、その有効成分により体調もととのえられ、私のキッチンには様々なハーブが常備されています。

私は砂糖の代わりに蜂蜜を加えたり、カルダモンの代わりにショウガを一片加えるのが好み。

すっきりリフレッシュしたければ、清涼感のあるペパーミントをくわえるのもいいかもしれませんね。

高級ワインでなくても、安価なディリーワインや残ったワインで十分!

お好みのハーブを加え、皆さんも身体の芯から温めて、風邪も予防できるホットワインでこの冬を乗り越えましょう。

山ガール


赤ワインの銘譲地とし有名なバローロやバルバレスコ、ピエモンテ州に或る・・・・となんとなく語られる方が多く、クネオ県内に在るのを把握されている方って以外に少数なんですよね。

そんなクネオ県ですが、葡萄畑が広がる丘陵地、アルプス山岳地帯、平野部と訪れる場所により趣を異にした情景や文化を味わう事ができ、四季折々色んな楽しみ方が出来るとても魅力のある地方だと思います。

クネオ県西部はこのような自然美を堪能する事ができ、日本でも名を馳せているロクシタン
も含め、南仏を中心としたオクシタニア地方に属していた名残が随所に見られ、赤地に黄色の十字架の紋章の旗が彼方此方に掲げられています。

国旗よりもこの地方に根付いたものを守り続けるカンパニリズモ(愛郷心)精神が切実に伝わってくるし、私達も今まで培ってきた文化や景観はもっと大事にしていくべきだと改めて考えさせられます。

異国に住んでいると、日本特有の素晴らしさに気づかされる事も多々あるし、又そういう共有財産を守っていくことは大事な事だと思うんです。

大自然の中で思いっきり深呼吸する!物凄く気持ちいいですよ。
都市部だけに偏らず、こういう自然に触れるイタリアの景観美の旅も面白いですよ。

海育ちの私も去年山ガールデビューし登山の楽しみを知り、春を待ちわびている今日此の頃です。


ピエモンテ美景観


ピエモンテ屈指の葡萄畑、壮大な景観、美しい眺望を持つ、ランゲ、ロエロ、ニッツァモンフェラート地方。

その貴重な文化財を守ろうという活動が年々強まり、2006年に世界遺産への申請を行い・・・

去年秋ごろから、今年の一月に認定されるかもしれないという話題が持ち切りですが、受理待ち状態のピエモンテ南部地域です。

ワイン生産地の美観地区とし世界遺産に登録されている地域は、

・世界三大貴腐ワインの1つを生み出す、ハンガリーのトカイ・ワイン地区。

・フランス南西部、ボルドーワインで有名なサン=テミリオン地区。

・ドイツ中部ライン渓谷地域

・ポルトガル、アルト・ドロウワイン地区及びピコ島の葡萄畑

・スイス、レマン湖北岸のラヴォ―地区

もし認定が確定となれば、イタリアの葡萄畑で初の快挙になりますし、私も更にこの地方を皆さんにお伝えする事に鋭意を努めることになるでしょう。

名物銘菓とモスカート


イタリアのクリスマスの名物銘菓、15世紀頃ミラノで誕生した菓子パン「パネットーネ」。
クリスマスや大晦日に、もはや必然的に振舞われそのため街中のお菓子屋さんや、スーパーに特設コーナーが設けらているのを、この時季に来伊される方は彼方此方でこの光景を目にするのではないでしょうか?

ピエモンテは、BALOCCO、GALUP、MAINAがパネットーネ製造社として有名で、しっとりとしてふわふわ、天然酵母の香ばしい香りのMAINA社のものが私のお気に入り。

どうしてもフェスタ期間中に食べきれないので、この時期毎朝のカフェラテとの組合せはこれ。

さて、クリスマス等食後に切り分けて食べる時、勿論組み合わせるワインは、ピエモンテが誇るモスカート・ビアンコ100%醸造、DOCG微発泡甘口ワイン「モスカート・ダスティ」というのは暗黙の了解です。

パネットーネの香ばしさやドライフルーツの甘みと、モスカート種の独特のマスカットの芳香が絶妙なハーモニーで、通常のワインに比べアルコール度も低く、微発泡なので喉越しもとても柔らか。

イタリアワインが苦手な女子も、このワインならきっと好きになれる筈ですよ。


南仏エズ


寒中お見舞い申し上げます。
久しく御無沙汰してしまいました。年末年始の怒涛な行事も無事終了、装飾もやっと片付け終わり・・。この時季の自宅での御持て成しは超ハードですが、食卓を皆で囲むのは実に素敵な事。此処ピエモンテは、厳寒だった去年に比べ温和な日々が続いております。

さてそんな合間を縫って、南仏東部、ニースとモナコ間の中腹に建設された通称「鷲の巣村」と呼ばれるエズへ気分転換に。

眼下はコート・ダジュールの海原。久々の海!林芙美子女史の「海が見える、海が見えた 五年ぶりに見る尾道の海は懐かしい・・・」の放浪記の一節がなぜかふと脳裏を過ります。

サヴォーナよりリビエラ海岸を走り、1時間半でいける小トリップ。


情緒溢れるリグーリアや、南仏の路地裏、毎回散策するのは燥いでしまう私。
今年はもっと南仏の小さな集落を探訪しに行き、お気に入りスポットを見つけたいです。


皆さん時節柄、風邪などひかぬようお気をつけください。

食欲の秋☆栗祭り


EU圏内最大の栗の生産国でもあるイタリア、秋の食の祭典「栗祭り」に先週末クネオへ行ってきました。


このゴロゴロした粒揃いのマロン達。

世界最高級の「マロン」と称される栗林はピエモンテ州のみで、此処クネオ県ストゥーラ渓谷産と、トリノ県にあるスーザ渓谷産のもの。

マロンと呼ぶ事が許されている品種の栗は、栽培環境や、土壌条件も整ったまさにグランクリュですね。

フランス菓子として名高いマロングラッセや、モンブランの原材料とし使用されるものはピエモンテのクネオ産でなければならないと記述が、ラルース料理大辞典の初版本に記載されていましたが、その後この記載事項を削除したのだそう。

さすがフランス人・・・商売上手。


普段は大通りとし使用されてる道路も露店が犇めき合い、ところどころでこのように豪快に、手慣れた手つきでマロンを煎ってるおじ様方


辺り一面焙られた芳ばしい香りが漂い、煎りたての熱々をさっそく頂きました。

皮も弾けてて剝き易く、程良い甘さでホックホク。


煎り鍋の底・・・このようになってます。


シロップ漬け


欠けたマロン・グラッセを使ってのプチSWEETS


マロンと葡萄のコンビネーション


栗粉パン、芳ばしくってもちもちした食感。



マロンをテーマにしたチョコレートのオブジェの数々。
あまりの可愛さに釘付けになってしまいました。


これは栗ビール。
2%蜂蜜も入っているので、仄かな苦みと栗のローストされたコクに加え微かに甘い後味。
先日訪れたベルギービールの味がふと蘇ってきました。



クネオ県では良質な源泉が至る所に湧き出ているので、地ビール工房も最近増えつつあり、ボトルもワインのようにポップアート風で、此処に思考されてるみたいですね。


このようなお祭りには、その土地の特産品も見どころのひとつ。
このサラミは、クネオでは馴染み深いもので、左からプレーン、バローロ風味、トリュフ風味。

栗メインに行ったはずが・・・・いつの間にかサラミとビールの試飲試食になっていたのは言うまでもなく・・・

マロン音譜へーゼルナッツ音譜ワイン音譜白トリュフ音譜ポルチーニ茸音譜秋の味覚たっぷりのこの時季のクネオ是非お越しください。

ベルギー紀行 第2弾

弾丸旅行のベルギーでしたが・・・北部フランダース地域と南部ワロン地域を垣間見る事が出来ました。

一つの国なのに、北部と南部では使用言語も異なるし、趣も全く異なり・・・・素敵な国Wハートで、個人的には北部フランダース地域の雰囲気に魅惑されたかもWハート


天井のない博物館と称されている、ブルージュ。

マルクト広場に面して聳え立つ鐘楼は、貫禄十分。
この塔の上から、フランドル地方の広大な平原の眺望を楽しみにしていたのだけれど・・・生憎の雨で霞んで見え残念無念汗


ボートに乗り込み、運河からの眺めは中世の情緒タップリWハート


青い鳥の作者メーテルリンク、アールヌーボー建築家ビクトル・オルタの郷里、ベルギー第三の都市ヘント。

世界遺産登録建築物でもある、ヘントの鐘楼。


中心街に教会が犇めき合い、照明が当てられた街中の建築物は明るく浮かび上がり幻想的で、物静かな街でした。


サックス考案者の郷里、南部ナミュール州に位置するディナン。13世紀のノートルダム教会、ムース川に面した城砦は必見。

先日お伝えしたビールレッフェビールビールも此処ディナンで誕生しました。


カサエルのガリア戦記にも登場する街、ナミュール。アンデルヌ地方への玄関口。
城砦は17世紀のもの。


フランス皇帝ナポレオン最後の戦地ワーテルロー。

ヨーロッパの歴史を塗り替えたと言っても過言ではない場所。
欧州男子にとり訪れたい場所の上位に入るようです。

フランス軍の大砲で作られた記念碑は1815年6月18日と刻まれています。




ブルッセル郊外にある、25分の1にした模型のテーマパーク「ミニ・ヨーロッパ」。
ヨーロッパの主要建築物300以上を一堂に見て回れ、精巧な細工に一つ一つ見入ってしまいます。

次回は田舎の集落や、修道院のビール醸造巡りに重点を置き、再訪したいです。

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ベルギーチョコ


ベルギー旅行のお楽しみの1つといえば、やっぱりチョコレートはーとはーと

店内装飾も其々工夫を凝らしていて、その中にあるチョコはまるでジュエリーのようキラキラキラキラ



ベルギーチョコといえば、プラリネ。

焙煎したアーモンドや、へーゼルナッツ等を粉砕し、砂糖を加えカラメリゼにしたペーストにカカオバターや、フレーバーを加えたもの。

此処イタリア、ピエモンテ州にもプラリネに似た、へーゼルナッツペーストと、チョコを混ぜ合わせた「GIANDUIA ジャンドゥイア」があります。


お店によって配合も様々で、あまりの種類の多さに目移りしてばかり。


美味しいチョコを吟味、味わいたい方はグラン・プラスではなく、是非グラン・サブロン広場へ音譜

カフェ・スペースもあり、ベルギー王室ご用達のお店が軒を連ねています。

この界隈でよく見かけた光景が、ピエール・マルコリー二の袋を片手に颯爽と歩いてらした紳士方。

きっと奥様たちからのお強請りなのかしら・・・・・。


コーヒーと同様に、チョコレートもカカオマスの種類、産地、焙煎により、苦味、酸味、コク、香りなどが違いがあり、非常に興味深いものの一つ。

カカオマスにはワインよりも多くのポリフェノールが含まれて、活性酸素を除去する働きや美肌効果大Wハート、カフェイン成分より胃に優しい、テオブロミンが集中力や、記憶力、思考力を高めたり、自律神経症を調節し、心身を安定させるリラックス作用有り音譜

コーヒーや紅茶にない食物繊維を摂取出来るので、肥満防止や、大腸がん予防にも効果的とのこと。

ビタミン・ミネラルも豊富な栄養バランスのとれた優れものWハート

カカオ豆が初めて発見されたのは、なんと紀元前2000年頃。当時はすり潰して薬のように扱われたり

スペインからヨーロッパ各国に広まったチョコ、当時のチョコ製造者には薬剤師出身が多かったのも納得ですね。


その昔、カカオ豆は貨幣の代わりとし、100豆で奴隷一人、10豆で兎等と交換していたそう。

現在でもカカオ豆の商品先物市場は、毎日変動し取引が行われています。


美肌効果大ビックリマーク、疲労回復効果大ビックリマークこれからの寒い時季、ホットチョコが恋しくなりますね。

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ベルギー紀行

皆さん、大変ご無沙汰してしまいましたあせる
いつの間にか此方は秋も深まり、朝夕は肌寒さを感じる今日この頃です。

母の来訪に伴い、以前から興味のあったベルギーへ。

歴史を感じさせる佇まい、若者を中心に活気溢れる街並み、緑色の絨毯を敷き詰めたような平原、素朴な田舎町・・・勿論ベルギービール、チョコも堪能してきました。


グラン・プラスの中でも一際目立つ市庁舎。
15世紀の後期ゴシック建築、塔の高さ96メートル。


王の家(左) 旧公爵家の館。
現在は市立博物館とし、古文書、装飾品所蔵。

フランドル商人の商館に囲まれている広場、グラン・プラス。
昼間に訪れるのとは、一味違う幻想的雰囲気。


サン・ミッシェル大聖堂。
13~15世紀、300年の年月を掛け建設、カリヨンの音色も必見。

正面広場のベンチに腰掛け、じっくり眺めるのも合格


ベルギービールは各銘柄ごとに専用グラスがあり、其々の風味を楽しめます。

クワック。

ベルジャン・ストロングエールの上面発酵スタイル。
深い琥珀色を帯び、複雑な香りと、深いコク、フルーティーな味が見事に調和しており、口当たりは滑らかです。

鐙の上でもゆっくり飲めるようにデザインされたもの。


南部ワロン地域、シネイで醸造。
ベルジャンエール上面発酵スタイル。
ベルギービールの中では比較的飲みやすいビール。

ブルッセル市内で、多数の生ビールを味わうのなら、サン・ミッシェル大聖堂近郊

A LA MORT SUBITE (ア・ラ・モール スビット)がおすすめ音譜

レッフェ・ブロンド。

スパイシーでコクとキレのバランス良いビール。
1240年より造り続けられており、、アンデルヌの森で獲れる肉のスモークハムや、パテなどと非常に相性が良かったです。

トラピスト会修道院ビール、ロッシュフォール。

修道士の手によって醸造されるビール。

現在世界7か所で生産認定を受けており、そのうちの6箇所がベルギーに存在。

上面発酵のビールで、瓶詰後に発酵熟成が行われる点に特徴のあるもの。
そのために年月を重ねるごとに、風味が異なってくるのは、まるでワインのようラブラブ

麦、ホップの豊かな香り、複雑な甘い香り、カカオのようなほろ苦さ・・・アルコールの余韻が長引く・・・・食後にグラスを傾ける瞑想ワインならぬ、瞑想ビールのようなどっしりとした貫禄あるビールでした。

次回ベルギー紀行第二弾、お楽しみに!!

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