イタリアンチーズ カステルマーニョ


ピエモンテ州クーネオ県の西側、クーネオ渓谷群のひとつ、グラーナ渓谷山奥の、カステルマーニョ村で造られる半硬質(半加熱圧搾)チーズ、イタリアンチーズの中でも歴史深く、最高品質と称され、DOPにも認定されている「カステルマーニョ」を購入しに行ってきました。

自宅から50kmくらいの距離なので、天気の良い日のお出かけにはアルプス連峰ドライブは清々しく、気分転換にはもってこい。

D.O.P.とは、Denominazione di Origine Protettaの略で、原産地呼称をつけることのできる製品とし、品質呼称の地理的範囲を定め、その生産物の多様性と生産者を保護し、消費者への確実な特産物提供のために作られている欧州連合内での認証制度。


このカステルマーニョチーズ、1277年の文献の中でも記されていますが、1000年頃にはすでにこの地域では食されていたとのこと、アルプス山岳地帯のミクロクリマと大自然、高地で厳しく長い冬を越すために育まれてきたイタリアを代表するチーズのひとつ、食文化の歴史が感じられますね。

このチーズは、このCASTELMAGNO(カステルマーニョ)村と、その近郊のPRADLEVES(プラードレーヴェス)村、MONTEROSSO GRANA(モンテ・ロッソ・グラーナ)村の3つの地域でしか造ることは出来ません。


原料は低脂肪の牛乳、20%以内の山羊乳または羊乳を加えることは認められています。

37~38度の温度で加熱し、凝乳酵素を加え凝固された後、プレス。

そのカードを麻袋に入れ吊るし発酵後、取り出してボロボロに砕き、塩を加え再度プレスして成型。

成型して砕くという工程を数回繰り返したのち、円筒状に成型し、表皮に大きくCマークを削り熟成庫へ。

直径15cm~25cm、高さ20cmほどの円筒形。重さは2~7Kgまでさまざま。

表皮は、若いうちは淡いベージュ色、熟成につれ茶褐色を帯び、弛んだり縮んだりして小さな皹が出来始め、土壁のような粉をまぶした様な貴腐菌が表皮につき始めます。

熟成期間は2~5ヶ月。

(上記写真)は、全て予約されているもので、このカーブ内で大事に熟成され夏頃に取りに来るのだそう。


これはまだ若いタイプ。十分力強い濃厚な味わいですが、さらに熟成させると外皮から淡茶褐色へと変化し始め、味わいも塩気が円やかになりコクが出てきます。

これこそがピエモンテを代表するワイン、バローロ&バルバレスコと組み合わせるチーズ。

この界隈では生食よりも、生クリームを加えソースとし、ニョッキやリゾットにするのが主流です。


カステルマーニョ村の景観をみなさんにも!

地元ビール☆BALADIN

ビールは世界でもっとも多く飲まれている醸造酒で、ビールの呼び名はラテン語のBIBERE(ビーべレ=飲む)また、ゲルマン語のBEOR(べオレ=グレーンを発酵させた飲料)に由来するともいわれています。

ビール醸造としてヨーロッパでは、ドイツ、チェコ、ベルギー等が有名ですが、イタリアにも少数ですが地ビールのお店があります。

イタリア語で、ビールを提供する酒場をBIRRERIA(ビッレリア)、
ビール醸造者をBIRRAIO(ビッライオ)と呼んでいますが、美味しい地ビールが飲める店がピエモンテにもあります。

ランゲ地方PIOZZO(ピオッツォ)という村にあるBIRRERIA 「BALADIN(バラディン)」。

ここのオーナー曰くビールを醸造するのは、人間の思考、感情などを表現する芸術「音楽」のようだと考え、良質の水、麦芽、ホップ、酵母、スパイスのハーモニーが調和してこそ!と彼のビール造りの研究が始まったのです。


アンティーク調と、ポップなデザインが融合している店内。


本ビールは、ワインワインの製法も開発したといわれている、メソポタミア文明のシュメール人により当時は「飲むパン」とし、麦芽を乾燥させ、粉末にし、水に浸して発酵させた飲み物が広く大衆に好まれはじめたのが、ビールの起源だといわれています。

本古代エジプト、ローマ帝国時代、その後何世紀も試行錯誤を経て、中世ヨーロッパでビール醸造を洗練させたのは、ワインと同様に修道院で、ビール生産国として名高いベルギーでは、現在でも修道院で醸造されるビールや製法を受け継いでいるという話は実に興味深いですね。

本現在のビールの原点ともいえる「ビール純粋令」を打ち出したのは、南ドイツのバイエルン公国、ヴィルヘルム4世(1516年)で、大麦、ホップ、酵母、水だけでビールを製造しなければならないという規定も作られました。


このBALADINにある、お試し飲み比べセット(7種類、10ユーロ)はこのように、螺旋上にセットされ、卓上へ。

手前の白濁したビールは、一番軽い「ISAAC(アイザック)」と名付けられたベルギー白ビール「ブランシュ」。ベルギーは、ドイツやチェコほどの良質なホップはとれなかったことから、ハーブやスパイス、フルーツを使用し醸造されるため、酵母やたんぱく質が白濁するのだそうです。

アルコール度も4.8%と軽め、爽やかな柑橘と、甘いスパイスの味わいが調和しアペリティフや、魚介類向きです。



(左より・・其々呼称が付いています)

きらきら!!ISAAC(アイザック)・・・ベルギー白ビール
きらきら!!BLONDE(ブロンデ)・・・ここバラディンで最初に造られた黄金色のピルスナ―ビール
きらきら!!BRUNE(ブルーネ)・・・・黒くなるまでローストし、麦から造られ苦みが強い、  アイルランドのスタウトビール
きらきら!!NINA(二―ナ)・・・・・・ホップが効いた苦みが程良い、ビターエールビール
きらきら!!NORA(ノーラ)・・・・・・エキゾチックな味わい、麦芽やスパイスも個性的なエジプトビール
きらきら!!OPEN(オープン)・・・・・アルコール度も、7,5%、後味はカシスの甘酸っぱさが残る
きらきら!!SUPER(スーぺル)・・・・アルコール度も8,6%、シナモンのスパイスの効いたパンチのある琥珀ビール


メニューの表紙も遊び心満載。


澄み切った夜空に、月明かりが町を幻想的な雰囲気へ。

この日は、ジャズの生演奏もありビールも洒落て味わえました。


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「イタリア好き」創刊まもなく!

2月初旬に、リグーリア取材のコーディネートをしたフリーマガジンがもう間もなく公表されます。

ELLEオンラインでお馴染みの、スパ・ジャーナリストさんによる執筆と、敏腕カメラマンによるショットの数々・・音符

この企画を考案されたボスもかなりのイタリア好き上げ上げ

HIS各店、イタリア関連施設へ3月30日より配置されます!

公表に先駆け、ELLEオンライン上でも告知されています。

リボン口紅ELLE口紅リボン

クッキングサロン SIRENA

私達とコラボレーションしているSIRENAの利枝さん。

自宅がある白金高輪で定期的にクッキングサロン SIRENAとし料理講座も開かれており、今回はサッポロビールのワインに合うレシピの中にも掲載されました。

こちらをクリック

アップ アップ  アップ

メルローの4番とシャルドネの7番のレシピです。

イタリア在住歴もあり、フランス人の旦那さまを持つ彼女は、フレンチ、イタリアンを得意とし、アジアン料理までオールマイティーにこなし、オスピタリティーたっぷりな彼女のクッキングサロンでは、楽しい一時を過ごす事間違いなしですビックリマーク

音譜本COOKING SALON SIRENA本音譜

パプリカ


野菜の中でも好きなもの音譜
肉厚でジューシーで甘みがあり、加熱してもビタミンCが失われない栄養価の高いこのパプリカは、コロンブスによりヨーロッパへ持ち込まれました。

イタリアの中でもピエモンテ州は、パプリカの産地でもあり、中でも「PEPERONI DI CARMAGNOLA(ペペローニ ディ カルマニョーラ)」は、トリノ県にあるカルマニョーラ周辺の特産物の一つでもあります。

この界隈では1900年代初頭から栽培が始まったそう。

ペペロナータ(トマト煮込み)、オーブン焼き、詰め物、パスタ、マリネ、アンチョビとの相性も非常によく、ピエモンテのバーニャカウダには欠かせない野菜の一つでもあります!!

動脈硬化、疲労回復、美容にも良いという優れものラブラブ

女性にとって摂取すべき野菜の一つですね。

バローロ・ボーイズ

バローロ・ボーイズ・・・・
タンニンの強いバローロワインを、革新的に変えていき、モダンバローロを生産し始めた造り手たち。


先日、大阪の友人がはるばる訪ねてきてくださり、アカデミックにワインを研究している彼女とのワイン談義は尽きる事がありませんでした。

彼女からのリクエストもあり、今回はバローロ村近郊のラッモッラ・アンヌンツィアータにあるこの改革に取り組み始めた第一人者、ELIO ALTARE(エリオ・アルターレ)氏のワイナリー視察へ。

代々受け継がれてきた伝統的な醸造技術を改新するため、父親との大葛藤の末、見事に結果を出した素晴らしい彼のワインの数々。


バローロを造るための土着品種ネッビオーロ種の昔の大樽醸造は、酸化や劣化を招きやすかったため、飲みにくいワインとされていたところ、果汁と皮のコンタクトの時間を減らし、熟成は225Lのフランス産オークバリック樽での熟成にしたことにより、渋みが口に残らないまろやかで果実味溢れる気品あるワインとし、世界各国で持て囃されるようになりました。

この小樽、購入額一樽700ユーロ。
2,3年に一度は買い替えないといけないそうです。


ガラス越しからの景観・・・
どのワイナリーを訪問しても、自慢の畑をちゃんと見渡せる設計にしてあるんですよね!

この眺望はELIO氏を師匠と仰ぎ隣接するワイナリー MAURO VEGLIO(マウロ・ヴェリオ)氏のところへお邪魔して・・。

此方のワインも素晴らしく、同じ土壌、日当たりで栽培された葡萄でも、果皮を醸す期間や樽熟成される微妙な違いで、ここまで味が変わるなんて・・・料理と一緒で奥が深いですよね。


ランゲ地方の何処までも波のように緩やかに続く丘陵地帯の景観をみなさんにも。

続・モンタルチーノの丘より


前回紹介したトスカーナのモンタルチーノ
イル・パラディーゾ・ディ・フラッシナのワインの続編です。
(全編は「葡萄畑に音楽セラピー効果が!?」参照)


BRUNELLO DI MONTARUCINO D.O.C.G ~ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ D.O.C.G~(写真右)

ワイナリーFRASSINAのある、モントゾーリの丘の恵まれた気候と粘土質の土壌は果実
の成熟を促し、3ヘクタールの葡萄畑サンジョベーゼ グロッソ種の中から、最も優れた葡萄のみを使用し、丹精込めて造り上げられたブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。

温度管理されたステンレスタンクで発酵後、フレンチオークの小樽(5hl)で12ヶ月熟成し、
その後、さらにフレンチオークの大樽(20~30hl)に移し替えられ熟成(18ヶ月)されたのち、
瓶内熟成(18ヶ月)。

ザクロ色を帯びたルビー色。ミックスベリー、麝香、フローラルの豊かなブーケ香が全体に
広がり、ブルネッロに良く見られる果実味豊かな深い味わい、口の中で柔らかく広がる繊細か
つまろやかな舌触りと調和のとれた味わいが魅力的です。

DO 12 UVE IGT Maremma Toscana Rosso ~ドー ドーディチ ウーヴェ イージーティー マレンマ トスカーナ ロッソ~(写真左)

2種のクローン化させたサンジョヴェーゼの他、10種類の品種、12種類を混ぜ合わせて造
られた、モンタルチーノで類を見ない、希少なワイン。

2種のクローン化されたサンジョヴェーゼ (25%)
カベルネ ソーヴィニヨン (20%)
チェザネーゼ ダッフィレ(10%)
シラー (10%) ぺティ ヴェルドット (8%) マルチェラン  (6%)
アンチェロッタ  (6%)
アリカンテ ボウシェット  (5%) カルマネッレ  (4%)
タンナット  (3%)   カナイオーロ  (3%)

温度管理されたステンレスタンクで発酵後、フレンチオークのバリック(2.25hl)で24ヶ月熟
成されたのち、瓶内熟成(12ヶ月)。

完熟したフルーツ、スパイス、タバコ、ミネラル、複雑性に富んだ上質な香りと絶妙な味わい
は飲み飽きることなく、クローン化されたサンジョベーゼ種の味わいも面白みがある逸品で
す。

皆さんにトスカーナの風景を~!


モンタルチーノの糸杉並木


トスカーナの夕暮れとオリーブ

カッポン・マグロ ~ご馳走サラダ~


リグーリア料理で何が好き?と問われたら、「カッポン・マグロ」と答える。

元来カッポン・マグロは、漁業、海運業が盛んであったリグーリアの船乗り達が航海に常備していた、乾パン、野菜、魚介類を酢漬けにし、混ぜ合わせた料理であったものが、バロック時代の料理人達により洗練され、当時はイエス・キリストの享年(33歳)に因み、豊富な食材を使い、33層にも重ね上げたクリスマスの貴族料理の1つだったのです。

今となっては、この料理をメニューに入れる店も減り、外出先でカッポン・マグロを見付けると、すかさず注文してしまいます。
(写真はRISTORANTE DA CASETTA のもの)

なぜなら、お店により、味付けや使用する材料も異なり、盛り付けも様々でどんなスタイルででるのかも見物だからです。

さて、イタリア語でカッポーネ(CAPPONE)とは、カサゴ科の魚の名前もしくは、去勢された食用雄鶏を意味し、カッポン・マグロの名前の由来の定説が2つあり、1つはこのカサゴ科の魚を使用しなければならなかった事、もう1つはクリスマスに食する雄鶏が豪華で富裕なモノだった事の代用とし、野菜と魚という質素な食材を使い豪華に見せたという庶民派料理から名付けられたのだとか。

カッポン・マグロにMOSCIAME DI TONNO(マグロ干物:写真右端)は必須で、その昔はイルカの肉をも干物にしていて食していた、リグーリアの珍味です。

ピエモンテで誕生したサルサ・ヴェルデ(イタパセを使ったグリーンソース)も、リグーリアに早くから取り入れられ、このカッポン・マグロには欠かせないソースとなり、このソースの味付けと、重ね方が決め手となる逸品だと思います。

魚介類と茹でた野菜がふんだんに盛り込まれた一皿で満足できるご馳走サラダなのです。

取材終了


「取材で本当に多くの人たちと関わりを持てたことは、僕の一生の財産となった。
 ”物”の裏には必ずそれに関わる“人”がいる。其々の人々の哲学の結晶が、イタリアの
 素晴らしい”物たち”を形づくっているのだと思う」

私の友人でもあり、ヴェネツィア在住のライター、小川光生さんが2003年出版された
「ヴェネツィア ラグーナの風」の中でのあとがきにこう綴っていた言葉が今回のこの取材コーディネートをし同感しました。

過去の軌跡を辿ったり、500年以上も昔から険しい山岳地帯で今も変わらず生活している人々、伝統工芸職人さん、リグーリア料理を披露してくれた私の友人のマンマ、医食同源を語ってくれたシェフや、農家の方々、リグーリアの新たな発見とともに、更にイタリアの魅力に取り憑かれてしまった事を改めて感じ・・・・。

仕事は楽しくやろうと一生懸命一つのものを作り上げる楽しさを教えてくださったプロデューサーの方々、有意義な経験をさせていただき有り難うございました。

取材コーディネート


ここ最近、2月に来られる出版社の方がたのリグーリア取材の企画を構成してます。
もう少し時季をずらして来ていただければ・・・とお伝えしたのですが、決行したいとのこと。

リグーリア州は、避暑地とし過ごされる方も多く、春、夏に素晴らしい景観を見る事が出来るのですが・・・と思いつつリグーリアの本を引っ張り出し、日程を組み込んでおります。

一番難航しているのは、ホテル取材。4つ星、5つ星と呼ばれるラグジュアリーホテルは、どこも3月末まで休業(やっぱりショック!
そうですよね、稼ぎ時は復活祭後の4月以降ですもの・・。

そこは、ミラノ、ジェノヴァで賄い、リグーリアらしい景観、リグーリア料理を撮影できるコンテンツ作成中です。

ワイナリー、パスタ工房、オイル製作所、農家の方々にも支援していただき、断固とし電話置かれていない、老舗、職人さんへのアポは走る人し、様々な再発見も多々。

取材期間中、どうか晴天に恵まれますように・・・。
晴れ女度アップを願いたいものです。

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